なにも無い空間。
しかし、少し歩くと見えない壁にぶつかりそれ以上先には進めなくなっている。
そんな場所に閉じ込められたちゃんはちは、端から端に向かって走る。
心の中で秒数を刻みながら走り、壁にぶつかったタイミングでそれを止めた。
(六か七秒か…。じゃあ大体五十メートルってところかな。縦もそうだったから多分高さも五十ぐらいか。)
ちゃんはちは冷静にそう思いながら、手に魔力を練り、創られた剣を手にすると端の壁に行き左足の踵をあわせる。そして、正面の壁を見つめる素振りをする。
(助走できても四十がギリギリだな…。心許ない距離だけどやるしかない。)
ちゃんはちは剣を構える。
そして姿勢を低くすると、息を抜くと同時に走り出した。
心の中で秒数と共に現在走った距離を呟く。
走った距離がちょうど四十になったとき。
ちゃんはちは前方に飛び剣を勢いよく振りかざす。
剣は何もない空間で弾き飛ばされ、それと同時にちゃんはちの体も後方に弾き飛ばされた。
それを想定していたのかわからないが、ちゃんはちは涼しい顔をして空中で一度回転し、床に着地する。
(まぁこれだけで壊せるならもうやってるしな。)
ちゃんはちは固有能力である【位置把握】に魔力を込める。
【位置把握】は魔力を探知できる。それを応用すれば、目の前の物体や人物などの魔力量なども探知することが可能なのだ。
この空間の壁は異様に鮮明に探知できた。つまり、それほど魔力量が多いということなのだろう。
(それにこの壁、ただ魔力を練って壁にしたってわけじゃなさそうだなぁ。一見魔力の壁だけどより一点に集中して探知すると少しだけムラがある。…もしかして魔法?)
魔法とは、魔力を用いて言霊が現実となったもの。
現実になった、つまりその場に物体として存在する。炎であれば実際に木々が燃え、氷であれば地や水が凍るのだ。
ちゃんはち達の扱う斬撃は魔力の塊。その名の通り小さな魔力の集まりなので、基本的には魔法の方が強い。
しかし、魔法には少し弱点がある。
魔法により現実化したものは、魔法の層で構成されている。
その層は、線と線の中に魔力の粒がある形で創られ、それがミルフィーユのように重なっている。そのため、層の中には普通の魔力の粒だけで構成されている部分がある。
つまり、その部分は脆い。脆い部分を狙って攻撃をすると、魔力の粒だけで構成された斬撃でも魔法に通用するのだ。
しかし、その弱点部位は非常に小さい上に層全てで同じ部分にそこがくる確率は限りなく低い。
(__けれど、無理ではない。)
ちゃんはちは、固有能力にさらに魔力を込めていく。
壁__幾つも重なった層__層の一つ一つ__その弱点部位__。
そして。
弱点部位の重なった部分。ちゃんはちは、そこからぴたりと気をそらさない。
剣を構え、振り上げて。
その部分に勢いよく振り下げる。
パリン!!
全てではないが、魔法の層が三つほど壊れた。
しかし、魔法の層は千にも重なるときがある。
こんなに魔力量が多いと、おそらくそれと同量、いやそれよりも多く連なっているだろう。
しかし、魔法の層が壊れた事実は変わらない。
ちゃんはちは一度剣を構え直して目を瞑る。
連撃、それをかなりの力量、速度でする。
決意を固めたちゃんはちは、息を強く吐き、言葉を口にした。
「『覚醒《かくせい》』」
しかし、少し歩くと見えない壁にぶつかりそれ以上先には進めなくなっている。
そんな場所に閉じ込められたちゃんはちは、端から端に向かって走る。
心の中で秒数を刻みながら走り、壁にぶつかったタイミングでそれを止めた。
(六か七秒か…。じゃあ大体五十メートルってところかな。縦もそうだったから多分高さも五十ぐらいか。)
ちゃんはちは冷静にそう思いながら、手に魔力を練り、創られた剣を手にすると端の壁に行き左足の踵をあわせる。そして、正面の壁を見つめる素振りをする。
(助走できても四十がギリギリだな…。心許ない距離だけどやるしかない。)
ちゃんはちは剣を構える。
そして姿勢を低くすると、息を抜くと同時に走り出した。
心の中で秒数と共に現在走った距離を呟く。
走った距離がちょうど四十になったとき。
ちゃんはちは前方に飛び剣を勢いよく振りかざす。
剣は何もない空間で弾き飛ばされ、それと同時にちゃんはちの体も後方に弾き飛ばされた。
それを想定していたのかわからないが、ちゃんはちは涼しい顔をして空中で一度回転し、床に着地する。
(まぁこれだけで壊せるならもうやってるしな。)
ちゃんはちは固有能力である【位置把握】に魔力を込める。
【位置把握】は魔力を探知できる。それを応用すれば、目の前の物体や人物などの魔力量なども探知することが可能なのだ。
この空間の壁は異様に鮮明に探知できた。つまり、それほど魔力量が多いということなのだろう。
(それにこの壁、ただ魔力を練って壁にしたってわけじゃなさそうだなぁ。一見魔力の壁だけどより一点に集中して探知すると少しだけムラがある。…もしかして魔法?)
魔法とは、魔力を用いて言霊が現実となったもの。
現実になった、つまりその場に物体として存在する。炎であれば実際に木々が燃え、氷であれば地や水が凍るのだ。
ちゃんはち達の扱う斬撃は魔力の塊。その名の通り小さな魔力の集まりなので、基本的には魔法の方が強い。
しかし、魔法には少し弱点がある。
魔法により現実化したものは、魔法の層で構成されている。
その層は、線と線の中に魔力の粒がある形で創られ、それがミルフィーユのように重なっている。そのため、層の中には普通の魔力の粒だけで構成されている部分がある。
つまり、その部分は脆い。脆い部分を狙って攻撃をすると、魔力の粒だけで構成された斬撃でも魔法に通用するのだ。
しかし、その弱点部位は非常に小さい上に層全てで同じ部分にそこがくる確率は限りなく低い。
(__けれど、無理ではない。)
ちゃんはちは、固有能力にさらに魔力を込めていく。
壁__幾つも重なった層__層の一つ一つ__その弱点部位__。
そして。
弱点部位の重なった部分。ちゃんはちは、そこからぴたりと気をそらさない。
剣を構え、振り上げて。
その部分に勢いよく振り下げる。
パリン!!
全てではないが、魔法の層が三つほど壊れた。
しかし、魔法の層は千にも重なるときがある。
こんなに魔力量が多いと、おそらくそれと同量、いやそれよりも多く連なっているだろう。
しかし、魔法の層が壊れた事実は変わらない。
ちゃんはちは一度剣を構え直して目を瞑る。
連撃、それをかなりの力量、速度でする。
決意を固めたちゃんはちは、息を強く吐き、言葉を口にした。
「『覚醒《かくせい》』」
