涼しい風と、柔らかな水の匂いが皆の鼻をくすぐる。
微かに聞こえるその音に嫌な気配を感じざるを得ない。
カーブを曲がり終えると、そこには立ちすくむひかりの姿があった。
「ひかり。どうしたの?」
「あっみんな!あのね…」
話しかけられたひかりは皆の方を振り向き、言葉を発しながら再度前を向く。
皆も、その視線につられるように前を向く。
すると。
そこには、湖と勘違いするようなほど巨大な川があった。
側にはゴウゴウと鳴り響く滝。それに追い打ちをかけるように、大きな岩石が激しく降り注いでいる。
地獄のような景色に、もはや笑いが出てしまう。
「てか花韮はどこ行ったんだよ!もうこれ修行中止だろ!」
「花韮さんの行方は分からないわ。けれど修行は続行でしょうね。この川を越えるわよ。」
「か、簡単に言うけどこの川めっちゃ大きいよ!」
皆が口々に言う中、むーは花韮のパワーボールに乗りながら腕を組み淡々と言葉を発する。
「無理ね。激しく流れる滝に降り注ぐ岩石。私達に掻い潜れる品物じゃないわ。」
「言うじゃねぇかよむー!やってやるよ!不可能を可能にしてやる!!」
威勢よく言ったはいいものの、どう渡ればいいのか見当すら付かない。
渡った先の陸も、川底も見えない。もし川を泳いだとて、どれだけ時間がかかるのか。
頑張ってどう渡るかを模索するいかりの横を、やみが通り抜ける。
そして、おもむろに水辺にひざまずく。
「やみちゃん!何してるの?」
「水の中が安全かどうかを調べるわ。ちゃんはちがここにいないって言うことは、この川を渡り切ったってことに等しい。あの子が水を泳いだり走ったりして渡った、つまり水が安全だったのなら私達には渡れない。けれど、水が安全でなかったらちゃんはちは別の方法で渡った可能性があるって思ったのよ。」
その発言に、ひかりはおおっと納得の声をあげる。
やみは、手を水の中に入れてつぶやく。
「…『闇晴散布《ダークスキャッター》』」
次の瞬間、水の色が突き抜けるように透明になって見えた。
「…闇というものを散布させたのね。」
「えぇ。先の見えない暗闇は、私の能力で闇自体を散布させることができるわ。」
皆が口々に凄いと言いながら、水中を覗く。
__水の底は、見えなかった。
代わりに見えたのは、魚型の原生生物。
目がぎょろりと動き、顔の端から端まで裂けた口が二マリと笑みを浮かべる。前脚のようなところには強靭な爪が生え、後ろ側には魚の尻尾が付いていた。
皆の顔から笑みが消え、即座に川から離れる。
この水に入ったら死ぬ。
そう、直感したのだ。
「…私の手が食べられなかったのが奇跡ね。」
「ちゃんはちのこと食べてお腹いっぱいだったんじゃねぇの?」
「いかりちゃん、そう言う発言はいけません!」
「…あれはパレオワレットね。
」
皆がザワザワとする中、むーは冷静にそう言う。
「ぱれおわれっと?んだそれ」
「あの原生生物の名前よ。ワニのような魚のような異形の生物。テリトリーに入ったものは瞬時に骨まで食べ尽くされるわ。」
「なぜさっき言わなかったのかしら。」
「こんな場所に住んでいるなんて知らなかったの。姿を見てパレオワレットと分かっただけよ。」
なんとあれ、水の中は安全ではないことが分かった。
皆は口々にちゃんはちがどう行動したのかを言う。
「花韮が見ていないからってパワーボールを使ったとしか思えないわね。」
「いや、あの子はそんなことしないわ。」
「なら他に…」
「やっぱりあいつ食われたんじゃねぇの?」
自然と円になって座り、作戦会議をし始める。
しかし、どう考えても答えは出ない。
それもそうだろう。障害物と考えている岩の上を渡るなんて考えられても、ありえないと思い込み口をつむぐのがオチだ。
うーんと唸りながら、もう花韮のパワーボールを使って渡ろうと話がまとまる。
そして、皆は地面から立ち上がりパワーボールに乗り込む。
いよいよ出発だと皆がウキウキしたその時。
向こう岸から、何かが飛んでくるではないか。
それにその物体は、今皆がいる場所目掛けて突っ込んでくる。
「ちょっうわわわわわ!?!?」
間一髪。やみがパワーボールを操作し、物体を避けることに成功した。
「危なっかしいわね。こんなことをしてくる原生生物も__」
やみがそう言いながら物体を見たとき。
それがなんなのかを、理解した。
やみの言葉が無くなったのを聞いて、皆も物体を見つめる。
その物体は、花韮がぶっ飛ばしたちゃんはちだった。
微かに聞こえるその音に嫌な気配を感じざるを得ない。
カーブを曲がり終えると、そこには立ちすくむひかりの姿があった。
「ひかり。どうしたの?」
「あっみんな!あのね…」
話しかけられたひかりは皆の方を振り向き、言葉を発しながら再度前を向く。
皆も、その視線につられるように前を向く。
すると。
そこには、湖と勘違いするようなほど巨大な川があった。
側にはゴウゴウと鳴り響く滝。それに追い打ちをかけるように、大きな岩石が激しく降り注いでいる。
地獄のような景色に、もはや笑いが出てしまう。
「てか花韮はどこ行ったんだよ!もうこれ修行中止だろ!」
「花韮さんの行方は分からないわ。けれど修行は続行でしょうね。この川を越えるわよ。」
「か、簡単に言うけどこの川めっちゃ大きいよ!」
皆が口々に言う中、むーは花韮のパワーボールに乗りながら腕を組み淡々と言葉を発する。
「無理ね。激しく流れる滝に降り注ぐ岩石。私達に掻い潜れる品物じゃないわ。」
「言うじゃねぇかよむー!やってやるよ!不可能を可能にしてやる!!」
威勢よく言ったはいいものの、どう渡ればいいのか見当すら付かない。
渡った先の陸も、川底も見えない。もし川を泳いだとて、どれだけ時間がかかるのか。
頑張ってどう渡るかを模索するいかりの横を、やみが通り抜ける。
そして、おもむろに水辺にひざまずく。
「やみちゃん!何してるの?」
「水の中が安全かどうかを調べるわ。ちゃんはちがここにいないって言うことは、この川を渡り切ったってことに等しい。あの子が水を泳いだり走ったりして渡った、つまり水が安全だったのなら私達には渡れない。けれど、水が安全でなかったらちゃんはちは別の方法で渡った可能性があるって思ったのよ。」
その発言に、ひかりはおおっと納得の声をあげる。
やみは、手を水の中に入れてつぶやく。
「…『闇晴散布《ダークスキャッター》』」
次の瞬間、水の色が突き抜けるように透明になって見えた。
「…闇というものを散布させたのね。」
「えぇ。先の見えない暗闇は、私の能力で闇自体を散布させることができるわ。」
皆が口々に凄いと言いながら、水中を覗く。
__水の底は、見えなかった。
代わりに見えたのは、魚型の原生生物。
目がぎょろりと動き、顔の端から端まで裂けた口が二マリと笑みを浮かべる。前脚のようなところには強靭な爪が生え、後ろ側には魚の尻尾が付いていた。
皆の顔から笑みが消え、即座に川から離れる。
この水に入ったら死ぬ。
そう、直感したのだ。
「…私の手が食べられなかったのが奇跡ね。」
「ちゃんはちのこと食べてお腹いっぱいだったんじゃねぇの?」
「いかりちゃん、そう言う発言はいけません!」
「…あれはパレオワレットね。
」
皆がザワザワとする中、むーは冷静にそう言う。
「ぱれおわれっと?んだそれ」
「あの原生生物の名前よ。ワニのような魚のような異形の生物。テリトリーに入ったものは瞬時に骨まで食べ尽くされるわ。」
「なぜさっき言わなかったのかしら。」
「こんな場所に住んでいるなんて知らなかったの。姿を見てパレオワレットと分かっただけよ。」
なんとあれ、水の中は安全ではないことが分かった。
皆は口々にちゃんはちがどう行動したのかを言う。
「花韮が見ていないからってパワーボールを使ったとしか思えないわね。」
「いや、あの子はそんなことしないわ。」
「なら他に…」
「やっぱりあいつ食われたんじゃねぇの?」
自然と円になって座り、作戦会議をし始める。
しかし、どう考えても答えは出ない。
それもそうだろう。障害物と考えている岩の上を渡るなんて考えられても、ありえないと思い込み口をつむぐのがオチだ。
うーんと唸りながら、もう花韮のパワーボールを使って渡ろうと話がまとまる。
そして、皆は地面から立ち上がりパワーボールに乗り込む。
いよいよ出発だと皆がウキウキしたその時。
向こう岸から、何かが飛んでくるではないか。
それにその物体は、今皆がいる場所目掛けて突っ込んでくる。
「ちょっうわわわわわ!?!?」
間一髪。やみがパワーボールを操作し、物体を避けることに成功した。
「危なっかしいわね。こんなことをしてくる原生生物も__」
やみがそう言いながら物体を見たとき。
それがなんなのかを、理解した。
やみの言葉が無くなったのを聞いて、皆も物体を見つめる。
その物体は、花韮がぶっ飛ばしたちゃんはちだった。
