仲間と私で未来を紡ぐ

ちゃんはちは、くいに向かっている剣へ自身の剣を振り落とす。
カンッ!と剣と剣がぶつかる音が森に響く。
驚いた花韮はすぐにちゃんはちを見る。
対するちゃんはちはくいを庇うように立ち、花韮を挑戦的な目で見つめる。

「なんの真似だ。敵に肩入れするのか?花幻郷最強の名が廃れているのも納得だな。」

花韮は、ちゃんはちへ怒りの目をぶつける。
ちゃんはちは、その言葉と目を飲み込むように言う。

「これは肩入れなんかじゃない。れっきとした防衛だよ。花韮は善と悪の区別がついていない。くいが悪?じゃあくいが何をしたの?どんな悪事を働いたの?」
「………」
「そんなことも分からないで異変解決していた、花韮の方がどうかしてる!!罪のない人を傷つけて涼しい顔するなんて、おかしいよ!花幻郷最強の名が廃れてる?煙花散花最強がこんなんだから、普通に暮らせるはずの人もビクビクしながら過ごしてんのわからない!?」

ちゃんはちは剣を構える。

「悪は悪でも、善になる余地があるなら善になれる。善は善でも、悪になる余地があるなら悪になれる。これ以上罪のない人を傷つけるなら、私が出ることになるよ。」

花韮は、ちゃんはちを冷たく見下ろす。
そして、深いため息を吐いたのち剣を納める。

「分かった。ただし、今後そいつが問題を起こしたら責任は取ってもらう。」
「そんなこと承知してる。」
「なら好きにしろ。」

花韮は首にかけているペンダントを撫でる。
別にちゃんはちと花韮が戦ったとて、花韮が勝つのは火を見るより明らかだ。ちゃんはちもそれを理解している。
それでも目の前に立ち、花韮に宣戦布告に近い言葉を放った。

(私もベルキアの悪知恵にやられているのか。)

花韮は、心でそう呟く。

「で?そいつはどうすんだ。放し飼いでもするのか?」
「くいが良ければうちに引き入れたいの。できる?」
「構わん。が、きちんとした資料を作成しろ。私が印を押せばそいつの存在くらい簡単に皆に認められる。」
「それはよかった」

花韮の言葉を聞き、ちゃんはちの口調は柔らかくなる。
そして、くいの方へ体を向け、手を差し伸べこう言う。

「くい。あなたが良ければ花幻郷最強グループに入らない?」
「加入するのならそれ相応の気持ちになれ。郷を背負うのは言葉より重く責任を伴う。お前に、それが理解できるか。」
「理解している。私はもとよりそうするつもりだ。グループに入るためにちゃんはちを呼んで話し合いをしようとしたんだがな。」

淡々というくいに、花韮はバツが悪そうに頭を下げる。

「…悪かったな。」
「なに。謝罪なんて求めていない。顔を上げろ。」
「…くい。善になる覚悟はできた?」
「私はもとよりそちら側なんだがな。…あぁ。覚悟はとうにできているよ。」

くいは、ちゃんはちの手を掴んだ。