黒豹の唯一無二は

「遅いっすよ〜

  結構待ったんっすけど

  あっお嬢お疲れ様っす〜


  たくさんご飯食べてきましたか?

  細いですから、たくさんご飯食べて大き 
  くならないと〜」


 「もうー!!
  すぐに子供扱いするのやめてよね!!

  1つしか歳が変わらないんだから!

  龍輝なんて、置いていっちゃうから

  行こう、ゼン」


ゼンの腕を引き、玄関を出ようとするお嬢とそんな2人をまたヘラヘラしながら追いかけていく龍輝。


 「ったく、みんな冗談通じないんすから〜」


自分と一つしか変わらないのに子供扱いする龍輝とお嬢はいつも、顔を合わせればかわいい口げんかをしている。


そんな見慣れた風景に、先ほどまでの貼り付けたような笑顔ではなく温かな自然と出る笑みを零すゼンの眼差しは優しい。


 「お嬢、車を回させてますのでもう少しだ 
  け待ってください

  このまま家の方で大丈夫ですか?」

 「うん
  大丈夫よ

  いつも、ありがとう」


龍輝の事はお構いなしに、二人は会話を続けていると、3人の前に見慣れた黒光りの車が現れた。


スマートにドアを空けてくれるゼンに促されながら後部座席に乗り込むと、反対側のドアを空けてゼンが乗り込んできた。


同時に助手席のドアが開き、ドタバタと音を出しながら龍輝も乗り込む。


 「お前ら、下がれ

  後は、解散だ

  おい、車出せ」


ゼンが車の窓を空け、外に控える部下たちに声をかければ一様に部下たちはその場を去っていった。

運転手に声をかけ、車は静かに走り出した。