「ねぇ、ゼン
今日の仕事は、大変だったの?
何だか疲れた顔してるよ
いつもごめんね」
後ろを歩くゼンに心配そうな顔で振り返る
「いやいや
大したことはなかったのですが、1人熱
を出して休んでたので
でも、大丈夫でしたよ」
「そっか…
熱を出した人は、大丈夫?
春なのにまだまだ寒いからね
ゼンも気をつけてよ」
「はい
お嬢も、そんな薄い格好では寒いですよ
夜はまだまだ冷えますから
これでも、羽織ってください」
ゼンは自分の着ていたスーツのジャケットを脱ぎお嬢の肩にそれをかける。
「ありがとう
上着持ってくるの忘れちゃって
(ゼンの甘い香りがする)」
お嬢は、恥ずかしさから下を向き火照った顔を隠す。
2人で静かな廊下を歩くとお店の入り口が見えてきた。
