黒豹の唯一無二は

きらきらとネオンが照らす繁華街。



真っ黒なスーツに身を包んだ一人の男が繁華街の奥に歩みを進める。


スラリと高い身長に、着崩したスーツの胸元から見える逞しく厚い胸板。


ガッシリと鍛え上げられた身体からは甘く刺激的な香水の香りがしている。


黒髪を風になびかせ堂々と歩き、周りの女たちの視線を集める。


その顔は、陶器のように美しく整っている。仮面のような笑顔を貼り付けてはいるが、溢れ出る色気に道行く女たちはキャーキャーと色めき立つ。



 「あっ!あれみてよっ!青山組のゼンさん
  じゃない?カッコイイ!!」


飲み屋の入り口で2人組の女が、スーツに身を包んだ男を指さしながら話している。


 
 「本当だぁ、素敵だよね!声かけちゃお!
  ゼンさーん!今日お店に寄っていかな   
  い?」


派手な衣装に身を包む二人組は、きっと後ろのお店に勤める女たちだろう。


その動作にすら色気が含まれていて、さらに女たちは騒ぎ出す。


 「うーん。これから仕事なんだよな…
  また今度、遊ばせてもらうわ」


片手を上げて女達に答える。それだけでも、女たちはざわめき出す。