雪降る世界は寂静の空。

静かに雪が舞っていた。

ひらひら。

ひらひら。

冷えた空気、十二月の日本。

あたし橘椎子(たちばなしいこ)は学校の帰りに雪を見ている。

(のぼる)といっしょ。

幼馴染の登。


むかし、積み木をして遊んだもの。


「海を見るのはイヤだ。波に攫われていく浜辺の砂の城を思い出すから···」

「登?」

「何でもない」

ひらひら。

ひらひら。

雪降る世界は寂静の空。

静かだった。


「海は苦悩を抱きしめていると思うの。人間の下らない苦悩を!!!」