シルバーリングの微熱

天邪鬼で自分勝手で間違えてばかりの私だけど、また彼の隣にいることができるのだとしたら、もう間違えたくない。

まだ大人になりきれない私だけど、あの頃よりは少しは空を飛ぶのも上手になったと思うから。


エンジンの音が聞こえてきて、視線を下に向ければ、アパートの下に一台の車が緩やかに停車する。

私ははやる気持ちを抑えながら階段を一歩ずつゆっくりと降りていく。

そして最後の一段を降りると、ようやく右手の薬指にそれをそっと嵌めた。

明日、この街が銀世界に染まる頃、このシルバーリングはどんな風に色を変えているんだろうか。熱を帯びているだろうか。


雪が頬に触れてじんとする。
願うことはひとつだけ。

──私たちの恋がまだ熱を失ってはいないと信じていたい。





2025.1.27 遊野煌