次の年三月、こんどはボクがたかし君の家のげん関に巣を作ったんだ。
たかし君の部屋の窓から、勉強している姿が見えると電線にとまって、
「ボク、助けてもらったユウ太だよ、山も、広い海も飛べたよ」
と、おしゃべりするんだ。
また、たかし君の母さんが庭にいる時、
「ボク、助けてもらったユウ太だよ」
と、母さんに一番近いガレージの屋根の上で、一生けん命お話しをするんだよ。
「お帰り」
と言って、ボクを見てくれる。
そして、おばあさんに、
「今年のツバメはよくおしゃべりするね」
と、お話しています。
 
ボクはおよめさんと、一生けん命エサを取って、五羽の子ツバメを大事に育てたよ。
チュチュと、おし合っているボクの子ツバメを見て、
「かわいいね」
と、みんなが言ってくれる。
すごくうれしかったよ。