二週間後、ボクたちは巣立ちの日がきた。
大人といっしょの、真っ黒のエンビ服。
羽根はキラリと光り、力強く羽ばたける。
ボクはまず門灯まで飛んだ。ツルー!
着地に失敗。羽根を一生けん命動かして、やっと門灯につかまれたよ。
 
シュウ君を見ると、巣につかまって羽根をバタバタさせている。
ボクたちは同時に電線まで飛んだ。風に乗ってスィーと飛べた。
うれしかったよ。
 
キュキュキュ、キュキュキュキュウ。
すごい!三、四十羽の親せき中のツバメです。
「おめでとう。おめでとう」
「ホネは折れなかったかい?」
「ヘビこわいねー」
と、次々に祝ってくれます。
 
チュチュチュチュウー、みんなといっしょに、巣まで飛んだり、屋根の上や、となりの公園まで飛んで、何度も練習しました。
 
ベランダで、たかし君の母さんがふとんをほしています。
ボクとシュウ君、父さんたちもいっしょに、「助けてくれてありがとう、今日飛べたよ、うれしいよー」
と、何度もお礼を言いました。
いつまでも見ててくれて、うれしかったよ。