ガラス越しの恋

「花蓮とのことはとやかく言わん。花蓮はいつ帰ってくるかわからんし今日は帰れ。受験生なんだろ」

勉強しろと諭されるように言って彼はドアを閉めた。

高耶がいるなら昨日のことは知られているんだろう。

あの人は妹の花蓮を大切にしてるから腕一本ぐらい折られる覚悟だったのに。


いや彼ははらわたが煮え繰り返るくらい怒っているんだ。

冷静さを自分で言い聞かせていたんだろうな。

あの人が大人じゃなかったらオレは殺されてたんだろうな。