嘘つき天体 ―ブラックホール・ランデブー―



「そういうことだから、目黒さんでもブラックホールになれちゃうよっ!」

明るくそう言った黒川さん。

だが次の瞬間– –理科室内の空気が、一気に冷たくなったような…気がした。


「……目黒さん。菜美も協力するから、目黒さんはブラックホールになって、太陽…陽葵ちゃんの人気者の地位も友だちも信頼も、ぜーんぶ吸い取っちゃおうっ?」


ビリビリビリ。

陽葵のプリントを力任せに破いた黒川さん。

パラパラと〝プリントだった欠片〟を離してニコッと笑った黒川さんの目は– –一切、笑っていなかった。

それこそブラックホールみたいに、底なしの闇が広がっている。

黒川さんが再びスキップして理科室から出て行った後も、私は……その場に立ち尽くしていた。