「や、め……っ!」
「うるさい!!黙れ黙れ黙れ!!」
狂ったように陽葵のお腹を踏みつけ続ける上戸さん。
最初は抵抗していたものの、よほど苦しいらしい。
陽葵はだんだんとされるがままの状態になっていく。
……もしかして、陽葵– –
これから起こるできごとを想像し、もっとおもしろくなるかもとほくそ笑んだ時– –
「う……っ、うえっ……!!」
私の「もしかして」が的中し、陽葵はその場で嘔吐した。
「キッモ!」
かつての友だち……いや、親友にそう吐き捨て、上戸さんはゴミを見るような目で陽葵から離れる上戸さん。
えずき声をあげながら、胃の中身をベチャベチャと床に吐く陽葵。
私は一応怖がっているふりで目を閉じが、薄目を開けて陽葵の惨めな様子をありありと堪能した。
隣の菜美は心配そうに眉を下げているが、決して陽葵に近寄ることはない。
いや……心配しているふりをしているだけで、私と同じようにハンカチで隠した口元は、きっと三日月の形に歪んでいるのだろう。



