嘘つき天体 ―ブラックホール・ランデブー―

– –でも……陽葵は次の瞬間、『あれっ?』という表情を浮かべた。

それは、私と菜美に焦りの色が少しも浮かんでいなかったからだろう。

それもそのはず、だってこれも、計画の一部だから。

私は困惑した表情を意識しながら、口を開いた。

「なに言ってるの、陽葵……陽葵が言ったんでしょ?『万が一星花にバレたらやばいから、やり取りした次の日には前日のトークを全部消そう』って」

「なっ……!!」

再び凍りつく陽葵。

せっかく矛盾を見つけたというのに、それを上回る嘘を塗り重ねられ、さぞやあわてていることだろう。

「そうだったの……ほんっとうにサイテー!!」

「だ、だから違うってば……!!あたし、こんなトークしてない!!」

「うるさいっ!!いいかげん認めなよ!!」


– –アハハッ。

たった1つの勘違いで、人ってそんなに豹変するんだ。

他人事でそう思いながら、私は上戸さんの怒りの火に大量の油を注いであげた。

別のニセ陽葵とのメッセージ画面を、2人に突きつける。