そそくさと一直線に向かったのは、陽葵の席。
だけど手に取ったのは、その席の横にかけてある彼女の通学用リュックだ。
小さめのポケットのチャックを開ける音が意外と響いてビクビクしていたものの、なんとか本当のお目当ての– –陽葵のスマホを、取ることに成功。
ロック画面からホーム画面にいこうとしたが、パスワードを入力する画面が出てくる。
だがこんなもの、幼なじみなんだから嫌でも知っていた。
4ケタのパスワードを速攻で解除する。
そして表示された、グループの子たちとのプリクラのホーム画面。
そんなものには目もくれず、私はラインを開いた。
次はポケットに入れていた自分のスマホを取り出し– –作戦通りのことをした私は、陽葵のスマホを元の場所に戻し、教室を出た。
そして、踏みつけるように下駄箱の前に置いていた靴を履くと、走って学校から立ち去った。
心臓は驚くほどドクドクしていたけれど、明日のことを考えると– –そんなもの、たいして気にならなくなっていた。



