「目黒さ〜んっ」
「……」
陽葵と別れ、ぴょんぴょんと階段を1段とばしで駆けあがってきた黒川さんをうつろな目で見る。
彼女が横に並んだと同時に、手に持っていたクラスメイトたちのノートやプリントが、手の力が抜けたことであっけなく階段を滑るように落ちていったが拾う気力もなかった。
「…こないでよ。全部聞いた……黒川さんも私のこと、バカにしてたんだね……っ」
視界が滲む。
でもこんな人の前で、涙なんか流したくない。
ごしごしと目のふちにたまっているソレを乱暴に拭う。
少しハッキリした視界でチラリと隣の黒川さんを見ると– –彼女は、笑っていた。
さっきまで私の悪口を言っていたのに、私にひどいことを言われたのに……!
なのに、なのになんで……っ!?



