「美月……どういうこと」
「……っ」
「芦田、なんで目黒に聞くんだ?」
なにも知らない先生の声が、やけに遠く聞こえる。
「あたし、昨日は予定があったから美月に代わりに出しといてってお願いしたんです!なのに、なんで」
「目黒、ちゃんとそれを提出したのか?」
そう尋ねてくる先生の声よりも、まっすぐ突き刺さる陽葵の視線が私をもっと焦らせる。
机の下で強く制服のスカートを握っていた手は汗ばみ、喉がカラカラに渇く。
ふいに涙腺が緩み、じわじわと熱いものがこみあげてきたが、なんとか唇を噛んでそれがこぼれないように耐えた。
そして顔をあげた私は– –努めて、明るい声を出した。



