嘘つき天体 ―ブラックホール・ランデブー―

– –そして、それとほぼ同時に先生が入ってきて……私を、地獄へと招き入れた。


「ホームルームを始める前に、芦田に報告がある」

「あたし?もしかして、特別に私だけ成績アップとか~?」

「ちょっと、それじゃあ陽葵だけズルすぎ~」

陽葵のおどけに、半笑いでそう言った上戸さん。

だが先生の口から出る報告を……私は、察していた。


「理科の本村先生から、芦田だけ昨日提出の課題プリントが出ていない、ということだ。今日の放課後まで特別に待つと言っていた」

「……え?」

その短い驚く声は、私にとってこれ以上ないほど居心地の悪いものだった。

身を縮こまらせるが、振り向いた前の席の陽葵と目が合ってしまう。