嘘つき天体 ―ブラックホール・ランデブー―

「おはよー、美月っ!!」

「…おはよ……」

いつもどおり朝から元気いっぱいの陽葵とは対象的に、私は元気が1ミリもなく、全身からは暗いオーラが漂っていると思う。

まぁ暗いオーラは定例だけど、元気がこんなになくなったのはいつぶりだろう。

その原因は– –黒川さんの誘いへの迷い、月森さんへの後悔、そして陽葵への罪悪感といったところだ。

黒川さんに本音をズバリ言い当てられたとはいえ、仮にも幼なじみで友だちの陽葵を裏切るような思いが完全に芽生えてしまったのは、なんだか引き返せない予感がしている。

月森さんに関しても気まずいし、それ以上に絶対嫌われたので謝るどころか話すこともできなさそう。

そして……陽葵。

陽葵の理科の課題プリントは現在、理科室のゴミ箱の中。

– –無惨な、紙くずになって。

破いたのは黒川さんで、なにもいいわけが思いつかなくて陽葵には電話でもメッセージでもそれを報告していないが、私がプリントを出していないことを知らされるのは、時間の問題だ。

陽葵の昨日のスイパラトークに適当に相槌を打ちつつ、頭の中をフル回転させて必死にいいわけを考える。

けれど結局なにも浮かばず、無情にも予鈴が鳴ったのはつまらないスイパラトークの延長戦に差し掛かったころだった。

「うわ、予鈴だ!じゃあね、美月」

「う、うん」

「あっ、そういえば美月。昨日理科の課題プリント、出してくれたよね?」