それから校門前の横断歩道で黒川さんと別れ、校内からも出て家を目指していると、
– –「目黒さん!」
少し息を切らしているだれかが、私の隣に並んだ。
「……あ」
それは、クラスメイトの月森未莉(ツキモリ ミリ)さん。
クールで私とは違って好んで1人で過ごしている一匹狼だ。
自分とは正反対の彼女に、私はひそかにあこがれていた。
そんな月森さんが特に接点のない私を追いかけてきた理由は、
「理科の課題プリントを提出しようとしたら……全部、見てしまったの」
理科室での私と黒川さんの会話を廊下で一部始終聞いていた、という報告だった。
黒川さんに見られないように、彼女が横断歩道を渡って姿が見えなくなったと同時に私に声をかけてくれたらしい。
その気遣いは嬉しいけれど、あこがれの人にそんな現場を見られていたなんて……。
けれどそんな思いは早々と吹き飛び、私の頭の中は黒川さんの言葉で埋め尽くされていた。



