歩きスマホで危機一髪

私はスマホを見るのが大好き。
家でも学校でも、暇さえあればスマホを見ていている。
こういうのを、スマホ依存症って言うのかな。

道を歩いている時だって、気がつけばスマホをいじって画面を見てる。
その度に、歩きスマホは危ないって何度も注意されてるんだ。
もちろん私だって、危険なのは知ってるよ。けど、わかっていてもついやってしまうんだから、仕方ないよね。

今日も学校からの帰り道、歩きながらも、目はずっとスマホに向いている。
登録しているSNSのアプリが気になって、つい見入ってしまたの。その後は、お気に入りの動画を次々にチェック。
音が漏れるといけないから、イヤホンをつけて、好きな配信者の新しい投稿を見ていた。
だけどその時、イヤホンから聞こえる音をかき消すくらいの大きな声が、何度も聞こえてきた。

「危ないぞ! 今すぐ引き返せ!」

なんだろうと思って足を止め、スマホに向けていた顔を上げる。
すると、踏切の遮断機のバーが一本下がってくるのが目に入ってきた。

どうやら私は、知らないうちに踏切の中に入ろうとしていたらしい。

怖っ!
このまま進んでいたら、電車にはねられていたかも。
けど、立ち止まったからもう安心。電車が通り過ぎるまで、またスマホを見ていよう。

というわけで、私は再びスマホに視線を戻す。
スマホをいじっている途中で、イヤホン越しに、真横から電車がやってくる音が聞こえてきた。


【解説】

彼女に向かって「危ない」と言った人は、止まれでなく引き返せと言っていた。
最後に電車の音が聞こえてきたのは、彼女の真横。
実は彼女は、既に踏切の中に侵入していて、それに気づいていなかった。

その場で立ち止まりスマホをいじり始めた彼女は、自分に向けて迫ってくる電車に気づかない。