ミラージュ・プリンセス♡ 〜私が、王女さまって本当ですか?〜

「私はロゼリア・シーラ・エルディア。エルディア王国の第一王女よ」

「お、王女……?」

「そう。そして、あなたに頼みたいことがあるの」

 ロゼリアと名乗った少女は、私の顔をのぞき込むようにして、人が悪そうな顔つきで唇をつり上げた。

「一日だけ――私と入れ替わりなさい」

「入れ替わるって……そんな、無理だよ! 絶対に無理!」

 私は首をぶんぶんと横に振った。
 いきなり鏡から飛び出してきた、自称王女さまと入れ替わる?
 ドッキリだとしてもタチが悪すぎる。

 けれど、ロゼリアはあきらめなかった。
 彼女は私の手首をガシッと掴むと、必死な形相で訴えてくる。

「お願い! どうしても今日だけ、王宮を抜け出さなきゃいけない用事があるの」

「用事って……なに?」

「それは言えないわ。国家機密よ」

「こっ、国家機密!?」

「とにかく、あなたならできるわ。だって、顔がこんなにそっくりなんだもの。黙って座っていれば、絶対にバレない!」

 ロゼリアの瞳は、真剣そのものだ。
 わがままで強引に見えるけれど、切羽詰まったような焦りも、確かに見える。

 いつもの私なら、絶対に断っている。
 面倒ごとは嫌いだし、失敗するのが怖いから。
 でも――。

「一日だけ! ちゃんと戻れるから! ね?」