ミラージュ・プリンセス♡ 〜私が、王女さまって本当ですか?〜

 ロゼリアが「どうしても抜け出さなきゃいけない用事がある」と言っていた理由。

 命を狙われる危険があるから、私を身代わりにしたわけじゃなくて……きっと彼女自身も、ここまで事態が悪化しているとは思っていなかったんだ。

 じゃなきゃ、ちょっと酷すぎる!

「……信じられない」

 私は拳を握りしめた。
 権力が欲しいから、邪魔な女の子を殺す?
 そんな身勝手な理由で、矢を撃ってきたの?
 
 恐怖よりも、ふつふつと怒りが湧いてきた。

「ねえ、レオンハルト」

 私は顔を上げた。

「はい」

「その、宰相って人は、今夜の晩餐会に来るの?」

「……はい。主催者の一人ですから、必ず出席するはずです」

「そうなんだ……」

 私は覚悟を決めた。

 もう、逃げない。
 これは、ロゼリアの体を守るためだけじゃない。
 こんな汚いやり方をする大人を、許しておけないもん。

「証拠は、この矢と手紙だけ?」

「これだけでも強力ですが……言い逃れされる可能性もありますね『盗まれた矢だ』と言われればそれまでです」

「じゃあ、絶対に言い逃れできない証拠……を見つければいいんだね」

 私はレオンハルトの目を見つめた。

「犯人は、きっとまだ近くにいる。ライトとユーリウスと合流して、捕まえよう」