ミラージュ・プリンセス♡ 〜私が、王女さまって本当ですか?〜

「な、なに……? なんなの!?」

 私は震える声で、叫んだ。

 さっきまでの穏やかなお茶会が、一瞬で戦場に変わっている。

 全然、理解が追いつかない。
 怖すぎる。

「ライト、射撃地点を特定しろ!」

「わかってる! 北東の時計塔……距離約300メートル!」

 ライトがゴーグルを装着し、鋭い目で遠くを睨む。
 いつものニコニコした顔は消え、真剣な男の子の顔になっていた。

「レオンハルト、ロゼリア様を連れて安全な場所へ! ここは私が食い止める!」

 ユーリウスが叫ぶ。

「頼んだ!」

 レオンハルトが私を抱きかかえるようにして立ち上がらせた。

「ロゼリア様、走れますか?」

「は、はい……!」  

 足は、生まれたての小鹿のようにふるふると震えているけれど、ここでへたり込んだら死ぬ展開な予感がする。
 不安を取り払うよう、レオンハルトの温かい手が、私の手を強く握りしめる。

「決して離れないでください。命に代えても守ります」

 その瞳には、強い意志の炎が宿っていた。

 私は頷き、彼の手を握り返した。

 王女のふりをしているだけの、ただの女子中学生なのに。

 命を狙われるなんて、聞いてないよ――! 
 ロゼリアぁーー!