チョコレート☆クライシス

「藤さまぁー! どこにいらっしゃるの!?」

いい雰囲気だったキッチンに、可憐(かれん)の声が響き渡る。
……え、まさかの乱入!?

「藤さま! こんな板チョコ女と密室で何を……! って、あら? そのボウルの中身、まさか……」

可憐が指差したのは、私が藤くんと(密着しながら)作ったチョコ。
でも、そこには藤くんが仕掛けた「秘密」があった。

「これ、チョコじゃないわ!  アンチョコよ!!」
可憐ちゃんがボウルの中身を指差して叫んだ。
「え!? 可憐ちゃん! 私はカンニングなんてしてないよ!」

「バカ……。お前、そっちの『アンチョコ』だと思ってんのか?
可憐が言ってるのは、あんこのチョコっていう意味だろ」
「……あ、そっち?」
恥ずかしさで顔が真っ赤になる私。
「……フン、どこまでも安直(あんちょく)な人ですわね!」
可憐ちゃんがやれやれといった表情で去って行った

嵐が去ったキッチンで、藤くんが私をグイッと引き寄せる。

「……おい、愛瑠。さっきの続き、するぞ」
「えっ、続きって……あんこチョコの試作?」

藤くんは呆れたように笑って、私の腰を抱き寄せた。

「バカ。……『ご褒美』だよ」

私の心はチョコみたいに甘く、溶けていった
Melty love☆