近くて遠い君との恋


そうか、夢を見ているんだ。

幸せすぎる夢を見ているんだ。

だって、そんな素振り見せたことないじゃん。

そして、私はそんな、陽太みたいなイケメンに見初められるような顔はしてない。

簡単に脚の力が抜けて、ペタンと座り込んでしまった。


「ど、どうした?!」


びっくりした様子の陽太が、しゃがみこんで見つめてきた。

「嘘言わないでよ、傷付くだけじゃん…」

「嘘じゃねーよ」


少し怒り口調だった。


「そっか、ごめん」


私は俯いた。嬉しいはずなのに、実感がなくて、どんな表情をしていればいいか分からなくなった。


「…で、返事は?」

「…ありがとう」

「だからさっ…」

「付き合いたい」


ただ条件反射のように、私の口はそう言っていた。

私に付き合う権利なんてないと思っていた。

ずっと友達のままなんだと思っていた。