バルトロメウスは腰の短刀を抜き、嵐の喧囂(けんごう)に紛れてラビーネの背後へと忍び寄ります。
しかし、その殺気にいち早く気づいた者がいました。
「ラビーネ殿、危ない」
割って入ったのはブラウンでした。彼は自らを盾とし、バルトロメウスの放った凶刃を鋭い金属音と共に弾き返しました。
かつて彼女へ向けた剣は、今、彼女を守るための聖剣へと変わっていたのです。
「下衆め、これ以上はさせん」
ブラウンは負傷した腕の痛みさえ怒りに変え、バルトロメウスの襟首を掴んで力任せに放り投げました。
地面に叩きつけられたバルトロメウスは、ラビーネの異形とブラウンの鬼神の如き強さに完全に戦意を喪失し、無様に逃げ出しました。
「ま、待って、父上。 どこでございますですか! おいていかないで、痛い、痛いぞよーっ」
蜂蜜まみれで蜂に追われる息子と、羽飾りの落ちた帽子を振り乱して逃げる父。
追手の一味は、蜘蛛の子を散らすように夜の闇へ消え去っていきました。
やがて、戦いの嵐が過ぎ去り、東の空からは冷ややかな朝日の光が差し込んできました。
ラビーネは、雨に濡れ汚れた己の鋭い爪を見つめ、絶望の淵に立ち尽くしました。
(ああ、神様。これが私の本当の姿なのですね。王子様が『美しい』と信じてくださった私は、もうどこにもいない……)
しかし、その殺気にいち早く気づいた者がいました。
「ラビーネ殿、危ない」
割って入ったのはブラウンでした。彼は自らを盾とし、バルトロメウスの放った凶刃を鋭い金属音と共に弾き返しました。
かつて彼女へ向けた剣は、今、彼女を守るための聖剣へと変わっていたのです。
「下衆め、これ以上はさせん」
ブラウンは負傷した腕の痛みさえ怒りに変え、バルトロメウスの襟首を掴んで力任せに放り投げました。
地面に叩きつけられたバルトロメウスは、ラビーネの異形とブラウンの鬼神の如き強さに完全に戦意を喪失し、無様に逃げ出しました。
「ま、待って、父上。 どこでございますですか! おいていかないで、痛い、痛いぞよーっ」
蜂蜜まみれで蜂に追われる息子と、羽飾りの落ちた帽子を振り乱して逃げる父。
追手の一味は、蜘蛛の子を散らすように夜の闇へ消え去っていきました。
やがて、戦いの嵐が過ぎ去り、東の空からは冷ややかな朝日の光が差し込んできました。
ラビーネは、雨に濡れ汚れた己の鋭い爪を見つめ、絶望の淵に立ち尽くしました。
(ああ、神様。これが私の本当の姿なのですね。王子様が『美しい』と信じてくださった私は、もうどこにもいない……)



