魔族の娘と盲目の王子

 けれどブラウンは、片手を挙げそれを制すると、心配そうに自分を見つめる彼女の瞳を真正面から受け止めます。
 そこには深い申し訳なさが滲んでいました。

(……それなのに、私は今日、お前に剣を向けた。角があるから、肌が青いからと。私は、私を殺そうとした奴らと同じ目を、お前に向けていたのだな)

 言葉には出さずとも、その瞳は深く、静かに彼女への許しを請うていました。

 そんな二人を、リノス王子はただ静かに、夜風に吹かれる白百合のように、見守っていました。