「まさにおっしゃるとおり! そこで俺はこんな作戦を思いつきました!」
「その名も!」と水瀬はその作戦を高らかに宣言した。
水瀬が最終手段として提案した作戦名とその内容、それは。
『とりあえず全力疾走して奇跡を捕まえよう作戦』――次に猫が現れたらひたすら走り、運よくなにかが起こるのを待つという内容だ。
……俺は笑う以前にあきれたけどな。
「悠、分かった? 俺は頑張って走る。悠も頑張って追いかける。そうすれば絶対に奇跡は起きるはずだ!」
「奇跡じゃなくて実力で捕まえろよ」
「もし俺が倒れたとしても、俺の屍を越えて猫を追いかけるんだ!」
聞いちゃいねえ。
結局走ることになるのかよ。もう走りたくないぜ、俺は。
さっきまであんだけ走って捕獲に失敗しているんだ、そう簡単にうまくいくわけない――
「あっ、猫! 走れ!」
「お、おう……」
俺たちをあおるように二階の廊下を走る猫と、それを追う風紀委員。画的には面白いのか面白くないのか。


