「本当ですか? あの水瀬先輩と仲直りができると?」
「できるに決まってるだろ、なめんな生意気不良後輩」
下から俺と対話していた不良後輩は、ここでふっと唇を緩めた。なんなんだこいつ。
「それでこそ篠原先輩です。やっぱり先輩は先輩ですね、安心しました」
「ほんと、なんなんだこいつ」
「ただの不良少年ですよ。でも、篠原先輩を応援してたりもします」
だからこんなところで話してないで、早く仲直りしてきたらどうですか。
ああこいつもいいやつなんだよなと改めて思った。
それ以上はなにも話さず、不良後輩に一つ頷いて見せて空き教室を出る。
そうだ。たしかに俺と水瀬は、少なくとも半年以上は一緒に昼休みをすごした仲だ。
それ以上でもそれ以下でもないが、一度ケンカしたらそれで終わりというような軽い仲ではない。そうではないはずだ。



