「――もういい」
バンと机を叩いた。
その衝撃で、机の上に積み上げられているプリントや散らばった筆記用具、誰のものか分からない飲みかけの炭酸飲料が入ったペットボトルなどが一瞬跳ねる。
風紀委員室内に響いたそこそこ大きな音の方へ何事かと視線が向けられた。
しかし、俺と水瀬がケンカしているのを見ると、気まずそうに目が逸らされる。
「お前がどれだけ言ってもできないことは分かった。……もう付き合ってらんねえよ」
吐き捨てるように言うと、水瀬が止めるのも聞かずに風紀委員室を飛び出した。
無性にむしゃくしゃして、このままあの中にいるともっとひどいことを言いそうだった。
――その日、初めて委員の仕事をサボった。
翌日、風紀委員室に水瀬の姿はなかった。
あんだけやかましいあいつがいない。あいつの目立つ明るめの茶髪が見えない。
5分ほど待ってみた。しかし来ない。



