「言いづらいけど、厄介払いみたいな……そういう事情か……」
「でも、七海先輩とはそれがきっかけで出会いました。最初、俺は同居人なんてどうでもいいって思ってたんです。だから不機嫌そうな雰囲気作って、目つき悪くしてたんですけど……七海先輩はそんなの関係なく話しかけてくれました。
『荷物、運ぶの手伝います。部屋まで案内しますし、階段、結構狭いので』って、こんな俺に――話しかけんなオーラ出してた俺に」
出会った頃は、年下の俺にも敬語だったんですよ。今はタメ口で話してくれるようになりましたけど。
不良後輩はそう付け足す。
嫌そうに話しだしたわりには愛おしそうな口調で話していて、ピアスのときといい委員長のことが大切なんだなと思った。
「七海先輩は俺を見た目だけで判断しないで接してくれたし、優しくしてくれました。きちんとダメなことはダメだって言ってくれるし、もう不良やめてもいいかなって思い始めたんですけど、なんだかんだやめられなくて。
……そうですね、篠原先輩と同じように言うと、極めつけは俺がクラスメートとケンカをしたときでした。殴り合いの、です」



