「……篠原先輩の貧相な想像力じゃ無理でしょうね」
「そうだ無理だ、だから教えてくれ」
まず想像力の問題じゃないしな、という反論は一旦引っ込めて、不良後輩の反応を待つ。
委員長だって「私がいないときにどうぞ」とかなんとか言っていたし、教えてくれたっていいだろ。
「……いいですよ、話します。本当に面白くないんで、覚悟してくださいね」
「不良後輩が言うからには面白いんだろうな」
「話聞いてました? ハードル上げないでください」
そう言いながらも、不良後輩は姿勢を正した。どうやら話してくれる気はあるようだ。
「いろんなことのきっかけになったのは、俺が中2になってグレたことでした。なんか、急に全部が嫌になっちゃって。
って言っても大人に反抗したり、授業サボったり夜遅くに帰宅したり、そんな程度だったんですけど、親父にはすごく怒られて、見放されて。
姉の大学受験の邪魔をしないようにっていう配慮もあったので、俺は親父の知り合いの家に預けられることになりました――その知り合いの娘さんが、七海先輩です」



