水瀬は留守番で、不良後輩と話している。
誰もいない裏庭は普段すごしている校舎内よりもずっと静かだった。
ときどき、ベンチに座っている俺たちの間に風が吹き、不良後輩のピアスが見え隠れする。
「俺、ずっと意外だなって思ってたんです。篠原先輩は真面目な人で、水瀬先輩はよくも悪くも騒がしい人じゃないですか。だからどこで接点があったんだろう、って。
これを聞いて納得しました、そうでもしないと関わりないですよね。水瀬先輩の言いなりになってない限り」
「だな。振り返ってて俺も思った」
「しかも、その『悪くないな』で今も一緒にいるの、すごいです」
「まあ分かりますよ」と不良後輩は言う。
「本人の前では絶対に言いたくないですけど、あの純粋な感じとか自由な感じには憧れますよ。水瀬先輩の場合は度を越しているとも思いますけどね」
「ああ、水瀬には言わないから安心しろ」



