わたしは、自分の生きる意味が見出せないまま21年も生きてきてしまった。
物心つく頃には、わたしは親に捨てられた子どもたちが暮らす薄暗い小さな施設で生活しており、まるで人権のない奴隷のように扱われてきた。
わたしはなぜ生きているんだろう。
わたしが要らないなら、親はなぜわたしを産んだんだろう。
どうせ要らないなら、海にでも投げてくれたら良かったのに。
幼い頃からそんな風に思いながら生きてきた。
わたしが18歳を迎えると、施設の人間は自分たちの役目は果たしたと言わんばかりに、わたしを夜の街に放り出した。
何の生きる知恵もないわたしは繁華街を彷徨い歩き、汚らわしい男女の交わりを横目に見ながらその日暮らしをしていた。
そんなわたしが出来る事は、情けないが自分の身体を売って生活する事だけだった。
しかし、好きでもない男たちに身体を弄ばれる事に、心が擦り減っていくのを感じた。
自分を大切にしたいわけじゃない。
ただ、気持ち悪い···―――――
わたしはそんな毎日が嫌で、薬局で風邪薬を買うと、それを大量に摂取するようになった。
しかし、道端に倒れているわたしを見つけた人に救急車を呼ばれてしまい、死にたいのに死ねない。
無知なわたしは、薬さえ大量に摂取すれば簡単に死ねると思っていた。
けど、死ぬ事がこんなに難しい事だなんて思わなかった。
死ぬ事にまた失敗したわたしは、病院を出たその足で刃物専門店へと向かった。
「一番よく切れる包丁をください。」
そう言って、わたしは一丁の包丁を購入した。
わたしは人通りのない裏路地に入ると、購入したばかりの包丁を手にした。
病院で首を切れば死ねると聞いた。
わたしは包丁を左側の首元にあてた。
何も怖くない。
あとは包丁を勢い良く引くだけだ。
思い残す事なんて、何もない。
これでやっと、わたしは···―――――



