君となら地獄を見たい


早速ボスは、"ロスト·ダガー"全員に指令を出した。

まず、刃牙さんは山野首相のSPとして、山野首相の側近に配置させた。

大樹さんは"ブラック·ガルヴァス"の内部調査。
そこで"ブラック·ガルヴァス"に属する人間が国内に126名いる事が分かった。

敵組織が126名に対し、こちらは8名。
しかし、その数に問題はない。
ただ、トップ3名を除いては···――――

せっかく任務を終えて帰国して来たばかりの堕璃さんと一閃くんは、国内に"ブラック·ガルヴァス"のメンバーを発見次第、容赦なく"摘む"ようにと指示された。

綱海さんは"ブラック·ガルヴァス"の本拠地を探し出し、見つけ次第、侵入ルートの確保を命じられた。

ボスと火鷹、そしてわたしの3名は、"BLISTER"本社と社員たち、"ロスト·ダガー"の本部を守る事が最優先だ。

「とうとう、この日がやって来ちまったか······」

ボスはそう言いながら、本社の12階から見える最後の景色を目に焼き付けていた。

そして、"BLISTER"本社の6階から最上階の12階までは扉や窓が完全に封鎖され、"ロスト·ダガー"のメンバー以外は出入りが出来ないようになった。

『みんな、聞こえてるか?』

ミクロマイクからボスの声が聞こえてくる。

『ゴブリンたちは見つけ次第、即"摘んで"構わない。国民への被害が無ければ、どんな摘み方でもいい。残りが中ボス2名、ラスボスの計3名になったら、召集をかける。それまでは各自の任務を遂行する事。』

ボスの声色に緊張が走るメンバーたち。
わたしの手にも、緊張から汗が滲んできた。

『いくらゴブリンとはいえ、相手はあの"ブラック·ガルヴァス"だ。油断はするな。何かあれば、すぐに射生か大樹に連絡を入れる事。俺は常に射生と行動を共にする。』

ボスがそう言ったあと、わたしは「薬が必要なら、すぐに連絡をください。一通りは揃えてあります。」と付け加えるようにみんなに伝えた。

『久しぶりの祭りだ。思う存分暴れろ。ただ、警察(サツ)に見つかるのだけは細心の注意をはらえ。厄介だからな。』

ボスはそう言うと、いつもの調子で『腹減ったなぁ〜。また一閃の飯が食いてぇよ。』と戦いの前にみんなの心を和ませた。

一閃くんは『ボス、また作りますよ。食べたいもの考えておいてください!』と言い、ボスは『あぁ、考えとくよ。』と明るく答えた。

『さぁ、みんな。宴の始まりだ。よろしく頼んだぞ。』

ボスの鋭く低い号令に、メンバー全員が『了解!』と声を合わせる。

いつも通りの暮らしを営む国民の誰もが知らない裏で始まる、わたしたちの戦いは、たった今幕を開けた。