さざ波公園の最寄り駅で降車し、改札を通過して、目に入った公園直通のバスに乗り込む。 小さな整理券を片手に、最後列の5人掛けシートのど真ん中に座る。 『あなたもバス運転手に!』 バスの振動に合わせて揺れるバス会社の求人の中吊り広告を眺めながら、脳内に深見菜音の横顔を思い描く。 5年の年月が経って、深見菜音の記憶は若干霞んでしまっているが、忘れてはいない。 スマホのカメラ機能を使って髪を整えながら、俺は5年越しの再会に密かに胸を高鳴らせていた。