中学時代好きだったあの子から、5年越しにLINEが来た


深見菜音からの連絡を受けた俺が、ウハウハモードで部屋をうろちょろしていると、テレビ台の角に足の小指が激突した。

「…っつー、いって…」

その痛みで我に返った俺は、ローテーブルに置きっぱなしにしていたノートパソコンを閉じて洗面台に向かった。

三面鏡に映った自分の姿に愕然とする。

高校の修学旅行で買った『働きたくない』Tシャツに、てろんてろんの黒いジャージ。

ずぼらに生えた無精ひげに、かさついた唇。

――こんなんじゃ、到底無理だろ。

朝起きて大学に行き、ファミレスでバイトをして、時にはサークルの仲間と遊び、家に帰る。

家、大学、バ先の往復だけで生きている大学2年生の俺には、見た目を整える(グルーミング)という概念が存在しない。

しかし、中学時代の片想い相手にこんな無様な姿を見せたくはない。

俺はリビングに戻って、ソファに置いていた白パーカーに黒いズボン、黒いダウンを羽織って鍵とスマホをポケットに入れて外に出た。