「……健児…。」 涙が止まらなかった。 健児は私をずっと思ってくれてた…。 健児はただ真っ直ぐに夢と私を見ていた。 涙が流れ落ち、手紙の文字が滲む。 そっと四角いケースを開ける。 「………………。」 今までにない涙が出て、声にならない声が出る。 健児の冷たい手をしっかり握り、震える足を抑え立ち上がり、健児の髪を撫でる。 「…うん」 消え入りそうな声で返事をし、健児にキスをする。 ケースの中には、結婚指輪と『結婚しよう』のメモが入っていた………。