「そうだ、せっかくなんで番号とメルアド交換しません?」


帰り間際、雪ちゃんが朱美さんに言った。


「そうですね。」


そう言って携帯をバックから取り出す。


「古俣さんも携帯出して。」


雪ちゃんがウィンクしながら俺に言った。


…そういうつもりじゃないんだけどなぁ…。


しぶしぶ雪ちゃんに促され、朱美さんと交換した。


店長も、俺も俺もと携帯を出そうとしたが、雪ちゃんに却下された。


「古俣さんの名前ってどんな字書くんですか?」


朱美さんに言われ、自分の名前を紙に書く。


それを見て、


「じゃあジュリーって登録しておきます。」


朱美さんは真顔で言った。


雪ちゃんと店長は大爆笑。


「研二だからか?ハッハッハ〜勝手にしやがれってか。明日から呼び名ジュリーに決定!」

「ジュリーに決定!」


店長に続いて、雪ちゃんも真似して言う。