そんな光景を見ながら、あの場所に座る。
俺にとってここで歌う二回目のクリスマスイブ。
綺麗な星空に向かい、俺は歌いだした。
…何分歌ったのだろう。
俺の周りにはカップルや駅に向かう人が立ち止まって聞いてくれていた。
最近は嬉しい事に、こうやって俺の歌を聞いてくれる人が増えてきていた。
1曲終わる毎に温かい拍手が俺を包む。
その拍手に照れながらも、どうもと頭を下げる。
そして頭を上げた視線の先に、ちょうど店長と雪ちゃんが一緒に聞いてくれてる姿が見えた。
2人は同時に俺に向かってVサイン。
どうやら店長の告白は上手くいったようだ。
俺は最後に自分の歌を歌った。
心を込めて…2人を想って。
そして朱美さんを想って………


