Jully〜あなたと夢を〜


─へぇ…そうだったんだ…何か以外。


「昔はモテたんですか?」

「…『昔は』は余計だろ…雪ちゃん。」


雪ちゃんは店長の過去に興味があるらしく、色々質問する。
私もちょっと聞いてみたいかも…と2人の会話に耳を傾ける。


バンドを辞めたこと。
彼女より夢を取ったこと。


色々話してくれた…。



「2人の内どちらかが当時居たらな、夢よりお前達を選んでただろうな…。」


店長はそう言って私達を笑わせてくれた。
…多分私を気遣って、笑わせてくれたんだと思う。
その優しさが嬉しくてついまた目が熱くなる。



「あっ!そうだ!これ店長のMDです。」


雪ちゃんが忘れない内にと、助手席にMDをポンと投げる。
ジュリーにしてはいい出来ですよと付け加えて。