ミウロとエルの住む村、リンド村から二人は出発した。二人だけの家族なので、長旅になるという挨拶も近所の通りすがりの村長に一度したきりだった。畑を通り過ぎたそんな二人の前には、森の道が延々と続いていた。
「早く通り抜けて隣町まで行こう」
エルは、覚悟を決めた様子で足を踏み出す。急に早足になる。
「そうだな」
ミウロも急足に歩調を合わせた。
「ちょっと!そこの二人、いいかしら?」
後ろから声をかけられる。二人は足をとめると向きを変えた。声をかけたのは、ユーという少女だ。
「うちらでレンア国の暴走を食い止めるのよね?」
「なんでそんなことを?」
ミウロはキョトンとする。
「お告げが町の役所の階段拭き掃除しているフッキッキーに直撃して、気絶寸前のところでうちに降りてきたの!」
「周りくど!」ミウロは呆れる。
「そらあ、痛みもかゆみも、おうどんわっしょい!」エルが壊れている。
「じゃ、行きましょ!ラウー国に!」
ユーがエメラルド色に輝く水晶を空高く掲げた。三人をエメラルド色の光が包む。シューとどこからか音がしてくる。
そして、誰しもがワープすることを意識した。
その時――。
