キューピットが恋しちゃダメなのに

倒れている女子を見つけた。

真っ白なワンピースを着ているだけで、周りには誰も何もない。



「お前っ、おい、大丈夫か!?」



桜桃と駆け寄って、頬を軽く叩く。



「目が開いた!!」

「話せるか?名前は?家は??」

「翔奏、そんな質問攻めにしたら困っちゃうでしょ」



戸惑ったように身を起こした姿から、同い年くらいだとわかった。

すぐ彼女の顔からサァァァっと血の気が引いていくのが俺にもわかって、思わず眉をひそめる。

そんな俺を指さしながら、ソイツははゆっくり口を開いた。


「きょ・・ごく、かなた?」

「ぁ、ああ」

「ほし・・な、お、と?」

「ぅ、うん」



なんで名前を知ってるんだ。

お前誰だよ。

そんな俺たちとは反対に、安心したのか一気に脱力して崩れ落ちるのを支える。

その顔がさっきとは違う呑気な寝顔で、少し安心した。

いや、問題は。



「・・どーすっかな」

「ぅ〜ん、そうだっ翔奏が連れて帰ればどーお?」

「はぁ!?お、お俺??」

「家帰っても1人でしょ?私、お兄ちゃんいるんだもん」



できることなら面倒なことに巻き込まれたくない。

でも、ここで捨ておくのは俺の良心が許さない。

桜桃に鞄を持ってもらって、正体不明の女の子をおぶる俺だった。

𐐪𐑂⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·𐐪𐑂