冬のサボテン

咲「・・・」
マスター「うーん、どうしようかな。咲、確かにまあまあカワイイし」
咲「まあまあで悪かったですね」
マスター「答えはすぐ出した方がいい？」
咲「って、違います。勘違いしないで下さい。私が好きなのはこの店です。決してマスターの事じゃありません」
マスター「ああ、そういう事ね。納得」
咲「マスターは人が真面目な話をするといつもそうなんだから。人がせっかく心配して」
マスター、新聞を読んでいる。
マスター「安心しろ。俺も好きだから」
咲「えっ・・・」
マスター「お前こそ、勘違いしてるんじゃないか？」
咲「そ、そんな事あるわけないじゃないですか」
マスター、咲の目ををじっと見つめる。
咲「・・・」
マスター「まっ、お前が店に押しかけて来るうちは潰さないから安心しろ」
咲「・・・押しかけて来るって」
マスター「そうだ、そうだ。お前さあ、毎朝サボテンの様子見に来るなら、家に持って帰れよ」
咲「えっ」