冬のサボテン

○喫茶店（朝）
ドアには準備中の札がかかっている。
真弥がカウンターの中でコーヒーを入れて、咲はカウンターに座っている。
真弥「そっか、そっか、君がマスターの言ってた咲ちゃんか。話は色々聞いてるよ」
咲「マスター、変な事言ってませんでした？」
真弥「うーん、ちょっと」
咲「ちょっと、ですか？」
真弥「うん。いつもボサボサの髪で、シワシワの服着てるとか」
咲「・・・」
咲、顔を下げ恥ずかしがる。
真弥「でも今日は髪も服もちゃんとしてるって事は、これから彼氏とデートとか？」
咲「デ、デート？そ、そんな事ないです。私、彼氏いないですし。あっ、ごめんなさい、そんな事どうでもいいですよね」
真弥「ううん、大丈夫だよ」
咲「ただマスターにいつももっと女の子らしくしろって言われるから、ギャフンと言わせたいと思って」
真弥「そうなんだ。きっとマスターも今日の咲ちゃん見たら、ギャフンって言うと思うよ。女の子らしくてカワイイから」
咲「本当ですか？すっごく嬉しいです」
真弥の言葉に無邪気に喜ぶ咲。
真弥「咲ちゃんって、本当にカワイイね」