サツキコ

サツキコの祖母、トシコは「おっとり和裁洋裁名人」だ。

季節ごとの編み物などをささっと作ってくれる。ちょっと魔女みたいな存在。

そんな雰囲気の裏に、意外な伝説がある。

結婚当初のトシコは、料理がとことん苦手だったらしい。

そんな彼女が台所で唯一「成功した」と感じられた料理。

それが「もやし炒め」だった。

醤油で炒める。塩で炒める。
時には市販のうまみ調味料を足したりもする。

それが成功体験となってしまい、気がつけば毎晩、食卓には「もやし」がドーンと置かれていたという。

そんなトシコも今では、いろんな炒め物も煮物も揚げ物もなんでも来い。

タダシとは、お見合い結婚だった。