真実が導く〝真実〟    ―感情―




「今日は、なに?」

翌日。

ホームルームが始まる前に、私は再び桜井さんを、以前クラスラインのことについて話した階段の踊り場へと連れて行った。

そして警戒心全開の桜井さんに、手に持っていた小さな袋を差し出す。

綺麗にラッピングされている、白色の袋。

「これ、5000円分の図書カードです。桜井さんにあげます」

「5000円……!?」

警戒心は吹き飛んだ様子で、目を丸くした桜井さん。

私も本好きだから分かるけど、当然本を買うのにはお金がかかる。

それを考えたら、5000円分の図書カードだなんて喉から手が出るくらいにほしいだろう。

「で、でもなんでこれを私に……?」

「実はこの図書カード、ユウカへの誕プレだったんです」

ユウカの名前を出した途端、一瞬すっと桜井さんの目に冷たい光が宿ったのを、私は見逃さなかった。