真実が導く〝真実〟    ―感情―

「あっ、お礼にこれを」

私はふと思いつき、お腹が空いた時用に、こっそり何個か常備している飴玉を、ポケットから取り出した。

それを3個ほど笹浦さんに差し出すが、「え、えっと…飴……いや、その…」とごにょごにょなにかを言う彼女。

「…もしかして…飴、嫌いでした?」

「いやっ、そんなんじゃないよっ!!ただその、太っちゃうかなって思って…最近ダイエットしてるけど、全然痩せれないから……」

「そうですか……にしてもダイエット……?」

「うん。だって私……ぽっちゃりだから。私も本田さんみたいに、スレンダーになりたい・・・・・・」

「わ……私に?」

私こそ、笹浦さんみたいに少しは太りたいって思ってるんだけどな……。

だって私は痩せ型で、遺伝的な問題プラス少食なこともあり、あまり昔から太れない体質。

よく、『太っちゃった〜!』なんてぼやいている子もいるけど、私も一度そのセリフを言ってみたい、とひそかにあこがれていた。

あやうくそれらを言うところだったけれど、なんとかこらえる。

だって痩せたい笹浦さんに、『私は太りたい』だなんて言ったら失礼だから。