– –「あっ、マミ〜!」
すると、一直線に駆け寄ってきたミナ。
『忘れてたの?』という目で見られ、ハッとした。
「そ、そうだっ。ごめんミナ」
「別に大丈夫だよ、そんなにトイレ行きたかったんでしょ?」
「うん……ちょっと、お腹痛くなっちゃって」
これは嘘ではないが、そのあとにあの2人に出会ったからもっと遅くなりましたとは、さすがに言えない……。
私は自席に戻り、トイレへ行く前に机の中にしまった国語のノートを取り出した。
ミナが大の苦手な教科は、国語。
しかし国語自体が苦手なわけじゃなくて、板書が毎回多いから苦手……というか嫌いだとよくぼやいている。
そんなミナのために私はいつも、国語の授業のあとは自分のノートを彼女に貸し、写しきれなかったところを写させているのだ。
「だけど私とクラス離れたらこんなこともできないんだからね?」
「分かってるけど、無理なものは無理〜!というか、毎回そんなこと言っても、マミはなんだかんだノート見せてくれるから、余計無理〜」
「う……断れたら頼まれない性分だし」
「まさにお姉さん気質〜!たまにあたしのお姉ちゃんなんじゃないかって思う時もある」
「そうなんだ…?」



